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発達障害者西部相談窓口

大人の発達障害の診断6つのポイント・生きづらさの理解と対策のヒントに

神戸市発達障害者西部相談窓口の相談員、芳村と申します。

近年、発達障害についてメディアでも活発に取り上げられ、注目が集まるようになりました。
発達障害の早期発見・早期療育は支援において効果的と言われており、児童への支援体制は徐々に整いつつはあります。

一方、テレビやインターネットの情報を見て「自分も発達障害かも……」と心配を感じる成人の方が増えています。
今回は、神戸市発達障害者西部相談窓口に来所される方にも多いご質問「大人の発達障害の診断」について、お話したいと思います。
一般的に大人の発達障害は診断が難しいと言われていますが、難しさの理由を理解することや、診断の過程で分かることも、生きづらさ改善のヒントに繋がるメリットとなります。

【発達障害の診断ができるのは医師だけ】
医師以外は発達障害の診断を行うことはできません。
また、すべての医師が診断ができるわけではありません。
成人の発達障害も対象としている医療機関かどうか、把握して受診することをおすすめします。
たとえば、兵庫県ではホームページ上で発達障害の診断・診察等を行っている医療機関リストを公開しているので、下記を参照するのも良いでしょう。

兵庫県 発達障害の診断・診察等を行っている医療機関及び行政窓口機関情報
(2020年5月7日時点)

※神戸市発達障害者西部相談窓口では診断はできません。また、特定の医療機関を紹介することもできません。ご了承ください。

【発達障害の診断で検査を受ける3つのメリット】
発達障害を診断する際、多くの医療機関では、発達心理検査を受けることになります。この検査では、発達障害かどうかの診断結果に関わらず、自分の特性(得意なところ・苦手なところなど)がわかります。
客観的に自分の得意・不得意が分かると、以下の3つのメリットがあります。

☑自分をよりよく理解できる
⇒自分を理解することで、周りの人への相談ができるようになったり、本などの情報から自分に当てはまる対策を立てることができる。

☑周囲の人に理解してもらえる
⇒家族や支援者に自分の特性を具体的に知ってもらうことで、生活のしやすさにつながることがある。

☑状況によっては福祉サービス・制度を利用することができる
⇒客観的な判断が加わる事で、様々な福祉サービス・制度の対象者であることがわかり、利用が可能になる場合もある。

【大人の発達障害の診断が難しい3つの理由】
発達心理検査などを経て、医師が「発達障害かどうか」を診断します。
しかし、明確に診断できない場合もあります。
一般的に大人の発達障害を診断するのは難しいと言われています。なぜなら以下の3つの要因が複雑に絡み合い、わからなくなっている状態の人が多いからです。

☑成長する過程で「苦手であったこと」を工夫し対策できるようになった

大人の発達障害の診断6つのポイント・生きづらさの理解と対策のヒントに

⇒例えば…
話しかけ方が分からず緊張していたが、周囲の人のやり方を見て工夫することで、会話への苦手さが減った。

☑成長する過程で「できていたこと」が苦手意識から取り組みづらくなった

大人の発達障害の診断6つのポイント・生きづらさの理解と対策のヒントに

⇒例えば…
いじめ等のつらい経験をしたために、人に話しかける勇気がなくなってしまったり、相手がどう思うか考え込んだり、何を話していいかわからなくなった。

☑環境の変化から「できていたこと」に取り組みづらくなった

大人の発達障害の診断6つのポイント・生きづらさの理解と対策のヒントに

⇒例えば…
仕事の部署変更があり、新しい仕事や仕事量が増えたために、できないことが多いと感じてしまう。

このように診断ができなかった場合であっても、これらの要因がご自身に当てはまるのかどうかを理解していくことで、生きづらさの理解や対策につながり、診断を受けるメリットとなるでしょう。

【発達障害の診断の捉え方】
発達特性(得意・不得意)は生まれ持った個性なので、治る治らないというものではありません。
ですが、自分のことをより知って、工夫をして生活することで、日々を生きやすく変えていくことはできると考えられます。

診断名がついた場合も、つかなかった場合も、診断の過程でわかったことと合わせて、ご自身の生きづらさの理解と、より良い対策につなげていく「きっかけ」と捉えるのが良いのではないでしょうか。

神戸市発達障害者西部相談窓口では、ご自身の特性を理解して、今後の生活に活かしていけるよう、ご本人様と相談員が一緒に考え、解決策を模索していきます。
はじめてのご相談はとても勇気がいることと思いますが、できる限り助けになれるよう、お手伝いできればと考えております。お気軽にご相談ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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