いろんな人が働きやすい会社を考える研修会
先週、2日続けて企業様の前で話しをする機会をいただきました。
1日目は100名以上の社員の皆様に向けて「発達特性や精神病について」というタイトルで話をしました。
2日目は13名の中小企業社長の皆様の前で「人権尊重の経営」というタイトルで行いました。
それぞれ話す内容は違っていて、まず1日目は、もともと障害者雇用を進めている会社であり、社長や人事など一定の人は発達障害、精神障害に理解があるが、従業員にも理解してもらい、「いろんな人が働きやすい会社になって欲しい」という会社の意向で行われた研修会でした。
勉強という趣旨が強くなり過ぎない様に具体例などを入れたり、皆に関係する睡眠やストレス発散についてなど、脳や体の仕組みについて説明をおりまぜながら話をしました。
本来は「自分とは関係ない」となりがちな内容ではあったので不安はありましたが、予想以上に熱心に聞いていただきました。質問なども活発に出てきて嬉しかったです。聴いていただいた企業の皆様、有り難うございました。
いろんな人を大切にし可能性を活かす事を重視してきたすいせい
2日目は、9月に催される兵庫県中小企業家同友会主催の「オール兵庫」という社長の皆様の集まりで話をさせて頂くことになったため、そのプレ発表(練習発表)で、すいせいの就労移行支援事業所CASTにお越しいただき行いました。
普段見ることの無い福祉事業所で、訓練の様子、利用者さんの様子を見ていただき、障害者と接点がない企業さんはイメージの違いに驚かれていました。
メインの発表については、すいせいについて話をしてほしいとのご要望だったので、現在スタッフの2割が手帳を持っていることや、プログラマーやマナー講師、警官、先生など、多様な社会経験者をスタッフで雇用して活躍してもらっていること――すいせいが立ち上げからこれまで利用者、スタッフに限らず、障害のあるなしに関わらず “いろんな人を大切にし可能性を活かす”ことに重点を置いて事業を行い発展してきたことなどを中心に話をしました。
ただせっかくなので、発達障害や精神病についてなどの情報も織り交ぜて発表しました。普段はあまり話すことのない経営についてなども話したので緊張しましたが、発表後に「障害や病気について理解がしやすかった。」「人を大切にする経営、人をみて活かす経営の重要性を改めて考える機会になった」と言っていただけたので、一先ず安心はしました。
企業の方々が発達障害や精神病の正しい情報に接する機会を
発表の機会を2日間いただいて、企業の方にはまだまだ発達障害や精神病については情報に接する機会が少ないと思いました。それと同時に正しい情報さえ届けば見方が変わり、他人事ではなく我が事として考えてもらえ、雇用なども進みやすくなると感じました。
今後も福祉・医療・教育だけでなく、少しでも多くの人に、障害者や働きづらいとされている人の可能性を伝えていくのも大事な役割だ、と改めて感じる経験となりました。
ABOUT
この記事を書いた人
岸田 耕二
社会福祉法人すいせい 理事長1981年生まれ、鳥取県出身。精神保健福祉士、産業カウンセラー。
2005年から就労移行支援事業所の施設長などを歴任。これまで東京大学プロジェクト参加、厚生労働省関連や神戸市福祉計画などの委員、ひきこもり支援、社会的養護者支援など幅広く活動中。
趣味はサーフィンとサッカー、娘二人のパパ。
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