発達障害を取り巻く教育や就労環境の変化
社会福祉法人すいせいが行なう、就労移行支援事業等の通所事業、神戸市から委託を受ける生活・就労・発達障害・生活困窮者に焦点をあてた相談事業、また、法人独自で行う発達障害のある大学生向けの事業『学生・就職困難者キャリアサポート事業 +U(プラス・ユー)』の活動について、『兵庫県LD親の会たつの子』様と話をする機会があり、その機会をきっかけに先日、『兵庫県LD親の会たつの子』の青年会役員会にて、私ども社会福祉法人すいせいの活動についてお話をさせていただきました。
当法人の活動についてお話させていただきながら、たつの子の皆様からのお声をお聞かせいただく中で、我々のような地域の社会資源の役割について、改めて深く考えるきっかけを与えていただけたように感じています。
現在、青年会に所属されているご家族のお子様方は10代後半から20代の方々が中心とのことで、現在、教育機関に在学されている方が多いとのことでした。
教育機関も過去は中々、発達障害にかかる理解が進んでいなかった現実があったが、現在は教育機関の中でも少しづつ理解の輪が広がっているように感じているとのことで、教育の中でも、色々な場面へのアクセスのしやすさは生まれてきているようです。
一方で、教育に関わる全ての人に理解が深まっているというわけではなく、まだまだ理解についてバラつきがある中で、「教職員への理解促進」や「在学中の支援の必要性」は非常に感じると、お話を聞かせていただきました。
また教育を経て、就労へという際も、過去は「実習先がない」「雇用自体の受け皿が多くはない」など、「教育から就労への移行」という面にも課題を感じていたとのことでしたが、昨今の障害者雇用率の上昇や、就労移行支援事業所等の社会資源の増加の背景を受け、「就労」という面においても良い変化がでてきているように感じているとのことでした。
社会資源や仕組みを地域・社会全体でブラッシュアップを
このようなお話を聞かせていただく中で、過去に無かった社会資源や仕組みが出来てきた一方で、新たに出来上がった社会資源や仕組みが、きちんと当事者や家族のサポートが出来るものになっていくよう、よりブラッシュアップしていくという課題、責務が当法人のような地域の社会資源にはあるように感じました。
進み始めた「教育機関の中での支援」「教育から就労への移行」。
これらをより良いものにし、当事者・ご家族に寄り添いながらサポートが出来る体制を一法人だけでなく、地域・社会全体でブラッシュアップしていくことが必要であると痛感いたしました。
現在、社会福祉法人すいせいでは、大学と提携した学内での就労支援プログラムの実施や当法人の就労移行支援事業所を利用した大学生当事者の短期インターンシップ受入のコーディネートなどを行なっておりますが、地域社会と連携しながら、この具体的な取組をどのように拡げていくか、また当事者学生に対して、よりプラスを提供する為どのようにブラッシュアップしていくか、またこういった取組を『障害の有無に限らず、就労において困難さを抱える方々』に対していかに発信していくかなど、より深く検討していきたいと考えております。
この場をお借りし、お話を聞かせていただいた兵庫県LD親の会たつの子 青年会役員会の皆様に、深くお礼申し上げます。