社会福祉法人すいせい 理事長
岸田 耕二
KOUJI KISHIDA
もう一段、上へ—自分の人生に取り組むために
具体的な目標の提示から始まる、健康・自信・希望への階段
すいせいは「実現可能」「具体的」「見えやすい」目標の提示、そしてそれぞれの段階に合わせた「ステップアップ支援」の場を提供しています。
理事長就任の際、職員へ向けた言葉として、「命よりも大事なものがある」と話をさせていただきました。
それは「健康」「自信」「希望」。
これらを実現するには「就労」「仲間」が必要です。そして、そのためには「自己理解」が欠かせません。
自己を理解し、仲間と就労の場を得る。そしてその先にある命より大事なものを実現する。
これが、人生の希望を叶える、すいせいの「ステップアップ支援」の本質です。
→ SUISEI ステップアップ支援について詳しくはこちら利用者の社会参加や就労を目標に据えるに留まらず、すいせいはもう一段上へ、階段を登っていきたい。
すいせいは、このステップアップに安心して取り組める場の提供を目指しています。
階段を一段一段登るように、すいせいは利用者の方々の自信回復を手助けし、社会参加への道を共に歩んできました。
就職できる人も増え、触発されやる気を出す人も増えていきました。生活保護を受けていた方が、もう若くはないけれどもうひと花咲かせたいと思うようになった、と語ってくれたのは、とても嬉しい思い出です。
凸凹のギア—才能が才能として活かされる社会へ
障害のあるなしに関わらず生きづらい・働きづらい現代社会に生きるヒントを
現代社会の生きづらさ、表面的な器用さばかりが評価される世の中に疑問を持っていました。見えにくくても、社会から評価されるべきポイントは、多々あるはずです。
現在、社会的マイノリティに属する人が、自信をつけることが難しい社会となっています。
そうした人々が自己否定することなく生きていくために必要な助けとは何か、考えるきっかけを提供していきたい。その思いから、支援の谷間にいるグレーゾーンの方、キャリアに悩む大学生、生活困窮者への支援にも力を注いでいます。
「特徴のある人がどうすれば力を発揮することができるか」を社会に発信していく
目先の効率化だけを追い求める世の中は、便利であっても人の心は豊かではないと、私は考えています。
多数派の人は「丸いギア」、特徴のある人は「凹凸のあるギア」。うまく工夫すれば社会に貢献できる特徴なのです。
本人の側も、合わない職業への固執など、自己理解の不足から難しい状況に置かれる場合もあります。マッチング次第で、自信を持って働いていけるケースが多くあるのです。
まだ社会に出ていない大学生も同様に、皆と同じやり方や合わない仕事に固執しない、幅広い視野で支援をしています。
すいせいは精神障害者支援を源流としてスタートしました。精神障害と重なる部分の多い発達障害支援に取り組み、「才能が才能として活かされる社会」を目指していくことで、すいせいが存続してきた意義が広く認められると考えています。
生きづらい人々、働きづらい人々、支援者の皆様、職員とともに、一段一段、階段を登り続け、地域社会に貢献していきます。