7月25日のことですが、NPO法人しゃらく様の主催で「事業承継」について話をしました。
事業承継とは、会社などの経営を後継者に引き継ぐことをいいます。
僕も2016年6月に先代の理事長から承継し、あれよあれよと3年目に突入しました。その承継時にどんな引き継ぎ方だったのか、どんなことを思っていたか、引き継いでから現在までの様子などを話すという企画でした。
最近は講演させていただくことも増えましたが、「障害者就労」「精神病・発達障害について」「地域社会の活性化」のような内容がほとんどで、今回は初めての題材だったので、依頼を受けた時も「自分はそんなに話せるエピソードを持ち合わせてなくてお役に立てる気がしませんが…」と言って少しお断りしたくらいでした。
当然、準備の段階から内容構成するのにも試行錯誤しました。
実際に引き継ぎ期は2年あったものの、先代から具体的な指導を受けるなどの機会がほぼなかったので、エピソードが少なく受講された方に何を伝えられるかと考えました。
ただ考えているうちに、継承についてのエピソードが少ないにも関わらず実際に事業を回せているのは、前理事長が引継ぎ期に限らず、支援者・リーダーに必要なスキルや価値観の継承、経理など、長年かけて環境を準備してくださったおかげで引き継げたのだろうなと改めて強く感じました。
実際の発表でも、引き継ぐ際に具体的にどうスケジューリングして何をすべきかを考えることよりも、時間をかけて人を育て環境を創っていくということ、特に『責任』という抽象的なものを後任の肚(ハラ)にどれだけ深く引き継げるかが本質的で良い承継ではないか、と話させていただきました。
では自分がどれだけ責任を背負えているかと言われたら、自分なりには背負っているつもりですが正直わからないです(>_<)
ただ、これまでのすいせいを築いて来られた先輩方や利用者様の想いと、今のスタッフ、利用者様、関係者様の「これからの責任」を背負ってるということを常に意識しながら前に進む、ということが後継者として必要な姿勢かなと改めて自覚した1日となりました。
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この記事を書いた人
岸田 耕二
社会福祉法人すいせい 理事長1981年生まれ、鳥取県出身。精神保健福祉士、産業カウンセラー。
2005年から就労移行支援事業所の施設長などを歴任。これまで東京大学プロジェクト参加、厚生労働省関連や神戸市福祉計画などの委員、ひきこもり支援、社会的養護者支援など幅広く活動中。
趣味はサーフィンとサッカー、娘二人のパパ。
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