11月21日、中小企業家同友会という勉強会にて、発表のコーディネート役をしてきました。
今回は普通の発表ではなく、三人のパネラー(皆様、経営者です)を相手に司会をしたり、質問をしたりする「コーディネーター」という大役を仰せつかり、150人の経営者の前で発表してきました。
今年の夏に依頼が来た時は、大役過ぎること、いつもの福祉の話ではないことや、この後にも「LD学会」「みんなネット」という全国大会での発表も控えていたため、光栄なことではあるのですが何回かお断りしていました。
しかし「岸田がやることに意味がある。成長になる。」という経営者の方達からの言葉に押され、自分自身でも「成長のための未知へのチャレンジ」という想いで、不安ではありましたが引き受けました。
打ち合わせも8月から入念に何度も行うということも大変でした。
しかし、それ以上に大変だったのが、いつものように自分が発表者だったり、パネラーとして好きなように話すのとは訳が違い、コーディネーターは発表者の良いところを出しながらも、目的に沿った話しにまとめていかなければいけないという難しさがありました。それぞれ人柄も業界も規模も違うので、どのような展開にしていくことが聴講者に学びがあるものになるのか、ということに、大変悩みました。
そしてもう一つ大きく悩んだ理由が、今回の勉強会のテーマが「経営の壁をどう乗り越えて行くか」、裏テーマとして「付加価値の増大」ということを掲げており、僕自身が経営者として大きな壁、付加価値の増大を達成した訳でもないので、今回の勉強会のゴールが見えないのに仕切らないといけないということでした。
コーディネーターが決まってから、自分なりに「経営における付加価値」についてや、経営者の自伝が書かれた書籍を読んだりしました。また、周りの方達に聞いていきました。
ただ、それだけでは「企業の付加価値」が肚に落ちていないままでしたが、打ち合わせの時に経営者の皆さまから直接お話を聞いたり、発表者の企業さまに出向いて話を聞いているうちに、少しずつですが「付加価値とは」「壁の超えかた」の共通項や法則があるように思いました。
どの経営者も、苦しい時期から成功していくまでのエピソードには「信念に基づいた継続した努力」がありました。
具体的な例を一つあげると、
「A社は、先代社長は感情的なワンマンで社員はビクビクしながら業務をし、ミスをしないよう受け身で働く環境だった。その怖い社長が体調を崩し、新社長がA社を引き継いだ。
新社長はまず、社員さんがビクビクすることなく主体的に働く会社にするために何から変革していくか考え、それまでやっていなかった【朝礼】を取り入れることを決心する。最初の頃は社内でも反対があったり嫌がる社員がいたりしたが、5年辛抱し続けていくうちに、他の会社から見学が来るくらいの社員が積極的に発言する朝礼になった。
期間をかけてでも社風の改善に努めたおかげで、現在は同業が潰れていく中、成長する会社になっている」
というようなエピソードを聞かせてもらいました。
付加価値への共通項としては
「覚悟を決め、やり続ける」。
文字にすることは容易いですが、実行することは本当に辛く険しいことです。
ただ、誰かに理解されるわけでも、将来、その努力が実るかもわからなくても、続けるということが実行できなければ「新たな価値」「付加価値」を生むチャンスを掴むことはできないのだということを、この勉強会を作り込んでいくプロセスを通じて強く感じました。
これは経営だけでなく、あらゆる壁を突破するときに必要な心構えだと思います。
すいせいの利用者さんでも覚悟を決め取り組むことで、現状を大きく超えていく方を何人も見てきていたので、自分も改めて「信念持って覚悟持って続けた」と胸をはって言える仕事をしていきたい。していかなければならないと思いました。
発表はいつもの何倍も緊張し、非常に疲れましたが、終わった後にはたくさんの方からお褒めの言葉をいただき、達成感を持てました。
すごーーーーーく大変でしたが終わってみれば、良い体験となりました。やはり、ときには想定できない壁にチャレンジするというのも、人が成長するためには必要なんだなと実感しました。
明日からの業務でもこの経験を糧にして取り組もうと思います!
ABOUT
この記事を書いた人
岸田 耕二
社会福祉法人すいせい 理事長1981年生まれ、鳥取県出身。精神保健福祉士、産業カウンセラー。
2005年から就労移行支援事業所の施設長などを歴任。これまで東京大学プロジェクト参加、厚生労働省関連や神戸市福祉計画などの委員、ひきこもり支援、社会的養護者支援など幅広く活動中。
趣味はサーフィンとサッカー、娘二人のパパ。
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