はじめまして、就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミー職員の秋本です。
私自身、CASTビジネスアカデミー利用者として1年半お世話になった後、昨年4月よりCASTビジネスアカデミーを運営する社会福祉法人すいせいに入職し、職員として支援をさせていただいています。
よろしくお願いいたします。
就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーでは、関西学院大学のキャンパス自立支援室(社会福祉法人すいせいが修学支援・就労支援の業務を受託)からの依頼で行っている作業があります。
視覚障害のある学生が教材を読み上げソフトを使って聞くための元データになるテキスト作成をメインに、他にも聴覚障害の方のために動画の字幕付け、などを行っています。
読み上げソフト用のテキスト作成を例に、簡単に流れを説明させていただきます。
まず、それを必要とする学生から関西学院大学キャンパス自立支援室へ相談・依頼があります。それを受けて関西学院大学キャンパス自立支援室から、学内の学生サポートスタッフや就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーへ作業依頼が届きます。
では、教材である書籍や論文などをどのようにして読み上げソフト用のテキストに作成していくのでしょう。手順としては大きく3段階です。
①書籍や論文をスキャンして取り込む。
②読み取りソフトを使って取り込んだ画像データから文字データに変換する。
③変換した文字データの修正。
①の取り込みと②の変換はそう難しいものではありません。
③の修正が曲者で、読み取りソフトではたびたび誤変換が起こります。
「ハ」と「八」のようなよく似た別の文字になってしまっている場合はもちろん、◎がたくさん並んでいるものがあって、原本を確認すると江戸時代の銭が並んだ写真だったなんて笑えるものもありました。こういったエラーを原本と見比べながら修正していきます。
また、ルビや注釈、文章では読み上げられない図などをルールに従って処理していきます。
就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーでは、利用者さんにこの作業をしていただいています。文字に対する適性や検証能力を計ることができるほか、詳細なマニュアルがあるものの必ずイレギュラーが出てくるので、その確認で報・連・相の練習にもなります。
さて話は変わりますが、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、各所に影響が出ているのはみなさまご存じのことかと思います。
社会福祉法人すいせいが運営する各事業所でも、一時期、利用者さんの分散通所を実施し週2日の利用に制限させていただいておりました。
作業でも、例年いただいている仕事がなくなってしまったり、時季が遅れたりしているものもあります。
しかし、こんな状況だからこそ出てきた新たな作業と、新たな試みもあります。
大学ではオンライン授業が進みつつありますが、先述の関西学院大学でも始まっています。それに伴って就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーには新たな依頼として、授業の動画や音声の文字起こし作業が入ってきました。
作業環境の新たな試みとしては、利用者さんの在宅での作業への参加です。
zoom、Slack、Googleドキュメントといった技術を利用して、この文字起こし作業を在宅でも出来るようにしています。
在宅作業だけでなく、社会福祉法人すいせいの遠く離れた事業所同士をつないでのプログラムの実施という試みも行われました。
就労移行支援事業所EnTry(エントリー)でストレスマネジメントのプログラムを行う際に、就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーにも中継で同時に実施し、スタッフとしても様々な応用の可能性を感じるものでした。
世間でもコロナ禍を機にリモートワークやオンライン会議を推していく動きが進んでいます。
利用者の皆さんが実際に就職された先の企業がそうなっていることもあるでしょう。
その時のために、我々もまだまだ試行錯誤中ですが、変化していく働き方に対応した新しい訓練も模索していきたいと思っています。
以上、就労移行支援事業所CASTビジネスアカデミーでのリモートワークへの取り組みでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。